デジタル写真研究会資料

ストロボ撮影のテクニック

製作 有限会社松尾カメラ 寺島 秀則

<日中シンクロを使いこなそう>

晴れている昼間の屋外で人物を撮影する場合、顔の影を明るくするためにストロボを使うと効果的です。

明るい場面でストロボ撮影をする場合、カメラのストロボ同調速度により、絞りや感度、有効な距離が制約されます。遠い距離で日中シンクロをする場合は、大光量のストロボが必要になります。

主なデジタル一眼のシンクロ同調最高速度

キヤノンEOS Kiss DX

1/200

キヤノンEOS 30D

1/250

キヤノンEOS5D

1/200

キヤノンEOS 1D mark?

1/300

ニコンD3

1/250

ニコンD300

1/350

ニコンD200

1/250

ニコンD80

1/200

ニコン D2X-S

1/250

ニコン D70S*最低ISO200

1/500

ペンタックス K10D

1/180

ソニーα100

1/125

パナソニックL1

1/160

一般的な横幕シャッター一眼

1/60

一般的な縦幕シャッター一眼

1/125~1/250

*   晴れている日中、屋外でストロボを使用する場合、お使いのカメラの感度を最低(ISO100又はISO200)に設定しましょう。

 

*   日中シンクロで理想的な光量は、被写体の位置で「ISO100、1/250、f5.6」又は「ISO200で1/250、f8」程度です。

 

*   ストロボのガイドナンバー毎の「ISO100で1/250、f5.6」又は「ISO200で1/250、f8」が可能な撮影距離は以下の通りです。

G-No12

G-No20

G-No30

G-No38

G-No50

約2.1m以内

約3.6m以内

約5.4m以内

約6.8m以内

約9m以内

*   一般的な内臓ストロボ

*   小型外付け

*   中型外付け

*   大型外付け

*   外付け最大

*この表のG-No(ガイドナンバー)は、ISO100, f1.0が得られる距離(m)の目安。発光量が2倍になるとガイドナンバーは約1.4倍。ガイドナンバーが2倍と言うのは発光量が4倍と言うことになります。

ストロボなし

WB:オート

ストロボ使用

WB:オート

ストロボ使用

WB:ストロボ

ストロボに

アンバーフィルター使用

WB:オート

ストロボに

アンバーフィルター使用

WB:電球

デジタルカメラはフィルムと違い、カラーバランスを整える「ホワイトバランス(WB)」機能が備えられているため、ISO感度を上げればストロボ無しの撮影も可能。ただし、照明が暗い場合は手振れや被写体ぶれ、光のむらが出やすい問題点がある。

ホワイトバランスオート(AWB)でストロボを使用すると、人物が青味がかってしまい不自然。

ホワイトバランスを「ストロボ」に設定すると、人物の青味は生じない。ただし、背景の電球色が強くなる。

ストロボの発光部にアンバーのフィルターを装着して撮影すると、ストロボ光が背景の電球色になじみ、自然な色合いになる。ホワイトバランスオート(AWB)で電球色を適度に補正。

アンバーフィルターを使用し、更にホワイトバランスを「電球」にセットすると、昼間の屋外で撮影したような色味になる。正しい色ではあるが、雰囲気が出ない。

*Nikon D2X ISO800プログラムオート(P)で撮影。カメラにより若干仕上がりは異なりますので、ご自分のカメラでお試しください