上田情報ライブラリー 生活便利講座:情報生活シリーズ

第2回 “デジカメの上手な使い方” 資料

制作 有限会社松尾カメラ 寺島 秀則

協力 ニコンカメラ販売株式会社 反町 武雄

時:2004年9月18日(土)午後1:30〜3:30  於:上田情報ライブラリー/セミナールーム

<デジカメの種類>
コンパクトデジカメ
高倍率ズームデジカメ
レンズ交換式一眼デジカメ
 

コンパクトデジカメ○×クイズ

 

Q1、一般的にコンパクトデジカメは、シャッターボタンを押すとすぐにシャッターが切れるので、動いているものを撮るのに便利である?

答え)×

Q2、コンパクトデジカメは、フィルムカメラに比べると近くから遠くまで深くピントが合うので、ピンボケ写真は少なくなる?

答え)○

Q3、コンパクトデジカメは、パソコンやインクジェットプリンターがないと、写真を楽しむことが出来ない?

答え)×

Q4、デジカメの充電器は一般的に100Vでしか使えないので、海外旅行の際は、予備の電池を多めに用意しなければならない?

答え)×

  Q5、一般的にデジカメに記録される画像は、メーカーによりファイルの形式がちがうので、パソコンに取り込む際はメーカーごとに別々のソフトウエアーが必要となる?

答え)×

<カメラブレがなくピントの良い写真を撮りましょう>

手ぶれしない様に正しく構えて、静かにシャッターを切りましょう。

右手でカメラを持ち、左手を添えます。この時、左手の人差し指でレンズやフラッシュを隠さないように注意して下さい。

・脇を開かず、両腕を軽く体につくよう構えます。

足を肩幅程度に開くと更に安定します。

近くが見えにくい方は、右写真の様に光学式のファインダーで覗く方が撮影しやすいかもしれません。

実際にシャッターが切れるのには少々時間がかかるので、ゆっくり、長めにシャッターボタンを押しましょう。

 
コンパクトデジカメや高倍率ズームデジカメなどCCDのサイズが小さいカメラは、フイルムカメラやレンズ交換式カメラに比べてピンボケしにくい。
1/2.7型(対角9.4mm)CCDコンパクトで撮影
23.7x15.6mmCCD 一眼デジカメで撮影
一口メモ:CCDサイズが小さいとレンズの焦点距離が短くなるので、ピントが合う範囲(被写界深度)が深くなります
 
広く移る広角側の方がピントは深く、アップでとれる望遠の方がピントは浅くなります。
広角側で撮影
望遠側で撮影

手前から奥までしっかりピントを合わせたい時は、広角側で近づいて撮りましょう。

前後はぼかして、狭い範囲にピントを合わせて浮き上がらせてとりたい時は、少し離れて望遠で撮りましょう。

一口メモ:ズームの位置によって、背景のぼけ具合や背景に入る範囲が大きく変化します。
広角で撮影
中間で撮影
望遠で撮影
 
<陰影の強すぎない綺麗な写真を撮りましょう>

写真全般に言えることですが、特にデジカメの場合は、薄曇りの光がベスト!

?晴れた日の昼間、陽ざしが強い場合陽の当たったところは白く飛び、日陰は黒くつぶれてしまい、普通に撮るとあまりうまくいきません。

薄曇りは、余分な陰や白飛びが起こりません。暗い曇りや日陰だと色の鮮やかさが多少落ちてしまいます。薄曇りだと発色も鮮やかです。  向けてシャッターを切るだけでそこそこの写真になります。
 
 
フラッシュのオン/オフを使いこなすと、より綺麗な写真が撮れます。
通常は暗い場所では自動的にフラッシュが発光し、明るい場所では発光しない自動発行モードに設定されています。ほとんどのシーンは、このままでも綺麗にとれます。
窓際など、撮りたい被写体が暗くつぶれてしまう場合は、フラッシュを強制発光して陰の部分を明るくします。晴天の昼間に人物を撮影するなど、陰がきつくなるシーンでもフラッシュを強制発光すると、より綺麗な写真が撮れます。
暗い室内等、フラッシュを焚いてしまうと背景がつぶれて、雰囲気が出ません。フラッシュを切ると周りも明るく撮れます。
一口メモ:フラッシュを焚かない撮影の場合、シャッター速度が遅くなるので、ぶれやすくなります。カメラのISO感度を上げたり、三脚を使用するなどの対策が必要です。また、カメラによってはフラッシュを炊きながら、シャッタースピードを遅くして背景を明るく出来る「スローシャッターシンクロ」機能を備えたものもあります。
 
<記念写真の実践例>

まず初めに背景にしたい被写体(建物や景色など)に合わせてカメラの位置やズームの画角を調整します。

?カメラ位置が決まったら、カメラから5m以内の位置に人を立たせましょう。

?フラッシュを焚くと顔の影が無くなり、更に綺麗に撮れます。

よくある失敗:人物を建物の際に立たせ、「背景が切れちゃうよ〜」なんて言いながらカメラがどんどん下がると、こうなってしまいます。
上記のの手順どおり撮って見ましたが、眩しがってしまい、いまいち。
日陰に立たせたら表情は良くなりましたが、顔が暗くなってしまいました。
日陰に立たせてフラッシュを焚いたら大成功。

尚、日なたでも、陰が少なくなるので、効果があります。お試し下さい。

 
<デジカメについてよくある質問>

Q1,デジカメの画素数と写真サイズの関係は?

A, A,一般に、パソコン画面(ディスプレイ)の解像度は72ppiなので、少ない画素数で十分です。一方、写真画質(肉眼で升目が見えない細かさ)はディスプレーの4倍288ppiの画質が必要となります。どの位の画素数があればどの位のサイズの画面や写真に出来るかを示したのが次の表です。

デジタルカメラの記録画素数と写真の大きさ
画素数
画像サイズ
72ppi(ディスプレイ)
288ppi(写真画質)
80
万画素
1024
×
768
ピクセル
36
×
27
cm
9.0
×
6.8
cm 名刺サイズ相当
150
万画素
1360
×
1024
ピクセル
48
×
36
cm
12.0
×
9.0
cm サービス版相当
300
万画素
2048
×
1536
ピクセル
72
×
54
cm
18.0
×
13.5
cm 2L版相当
600
万画素
3040
×
2016
ピクセル
107
×
71
cm
26.7
×
17.7
cm 大伸ばしプリントサイズ
800
万画素
3264
×
2448
ピクセル
115
×
86
cm
28.7
×
21.5
cm 大伸ばしプリントサイズ

[一口メモ]ppi:ピクセルパーインチ、1インチ(2.54cm)の中にいくつの升目が並んでいるかを表す、解像度を示す数字です。ちなみに混同して同様に使われることが多い「dpi(ドットパーインチ)」は、1インチの中にいくつの点が並ぶかを示した数字です。インクジェットプリンターなど、点で画像を印刷する場合、4色インクの印刷機なら1ピクセル当たり4ヶのドットを必要とします。つまり288ppiの画質を表現するためには、1152dpi以上の性能を持ったプリンターが必要ということになります。なお、写真店で行っている印画紙プリントは、300ppiの画質を確保しています。

それぞれのデジカメは、画素数を変えることが出来ます。大きい方から「ラージ(L)、ミディアム(M)、スモール(S)」とか「5M、3M、1M」といった表示がされます。

 

画像ファイルを小さくするのに、圧縮という方法があります。画像をそのまましまうと場所をとるので4分の1とか16分の1に畳んで場所を節約することが出来ます。ただし、実際に画像を見る時に開く際、小さく畳んだものはそれなりに画質が劣化してしまいます。ほとんどのデジカメはJPEG(ジェイペグ)と言う形式を用いています。メーカーにより圧縮率の呼び方はいろいろですが、綺麗な順から「スーパーファイン、ファイン、ノーマル、ベーシック」などの段階が設けられています。

 

インターネットなど通信目的の場合は別として、一般的に「ラージ+スーパーファイン」など、より綺麗なモードでの撮影をお奨めします。大きいものを小さくしても問題ないけれど、小さいものを大きくすると荒れてしまい使い物にならなくなるからです。「大は小を兼ねる」のです。

 

Q2,画素数の他に、画質に関わる要素は?

A,画素数と同様に、画質を決める重要な要素は「階調」です。パソコンの画面上やプリンターで表現出来る色は、一般にR(レッド)G(グリーン)B(ブルー)の3色それぞれ0〜255までの256階調約1678万色です(3色各8ビット)。デジタルカメラも記録データは、3色各8ビットです。ところで、デジカメ内部では、最終的な記録データを保存する前に、CCDから送られてきた信号に対し、画像エンジンと呼ばれる回路で、色調、シャープネス等の画像処理が加えられます。最終的な記録画質を良くするためには、画像エンジンの性能はもちろんですが、CCDから取り出される画像処理前のデータの階調が、重要な要素となります。

CCDから取り出されるデータの階調は、CCDを構成している1粒1粒の素子の面積が大きい方が有利です。レンズ交換式一眼デジカメの場合、一般的なコンパクトデジカメの5倍から8倍位の大きなCCDを使用していますので、同じ画素数ならば5倍から8倍の元データ階調が得られます。そこから最終記録データの8ビットの画像を作ることが出来るので、より豊かな表現が可能となるのです。

デジタルにおける階調のイメージ
[一口メモ]同じ全体サイズのCCDなら、画素数が多い方が素子1粒1粒は小さくなってしまいます。これからデジカメを選ぶ際は、是非、カタログに記載されたCCDのサイズも参考にしてみてください。ちなみに「1/1.8型」と「1/2.7型」では「1/1.8型」の方が大きいサイズです。メーカーによってはCCDの大きさをカタログに記載していない場合がありますが、一般的にズームレンズの一番広角側の焦点距離が短い方が小さく、長い方が大きくなりますので、それを目安にしてみてください