資料製作 有限会社 松尾カメラ
商店街あったかフォトハイキング
日常の街角で使える撮影テクニック
日常の見慣れた風景も、ちょっとした工夫で魅力的な被写体になります。今回取り上げる「望遠の圧縮効果」「パンフォーカス撮影」「流し撮り」は、普段生活している街角の撮影はもちろん、日頃の撮影にも使える撮影テクニックです。「商店街あったかフォト選」ご応募作品づくりや様々な被写体の撮影に、どうぞお役立てください。
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望遠の圧縮効果
望遠レンズ(またはズームレンズの望遠側)は、単に「遠くの物が大きく撮れる」だけでなく、「前後の位置関係の被写体の距離感が縮まって見える」効果があります。これが「圧縮効果」と言われるもの。少し離れた距離の被写体を望遠で切り取ると、密度が濃く緊迫感のある写真が写せます。
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普通の画角(55mm)で撮影
遠くの物は小さく映るため、閑散とした商店街の雰囲気そのままに映ります。 |
望遠(300mm)で撮影
200m程遠方の駅舎も大きく見えます。閑散とした雰囲気もあまり感じさせません。 |
望遠(300mm)で撮影
10〜20m間隔で植えられた街路樹も密度が濃く映り、太郎山の山腹と相まって、緑豊かな情景が演出できます。 |
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一眼レフカメラの場合の望遠撮影は、被写界深度が浅くなります(ヒントを合わせた被写体の前後がボケる)ので、「絞り優先シャッターオート」でF11〜22程度に絞り込むことをお勧めします。シャッタースピードが遅くなってしまう場合は、ISO感度を上げる(ISO 800〜1600)ことで補いましょう。
*花の群生など近くのものを撮影する場合も、広角レンズでは濃淡のむらが大きくなってしまう際に、望遠で離れた位置から切り取ることで、ある程度均質な密度の撮影が可能になります。
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パンフォーカス撮影
広角レンズ(またはズームレンズの広角側)を使用し、ある程度絞り込む(F値を大きくする)ことで、手が届く程度の近距離から無限遠までピントの合った撮影をすることが出来ます。上手な作品に仕上げるには、手前にある被写体に出来るだけ迫って撮影することがポイントです。
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35mm F5.6で撮影
手前の花だけにピントが合っています。
手前の被写体だけを浮き上がらせたいときは、絞りを開ける(F値を小さくする)撮影が有効です。 |
28mm F22で撮影
手前に印象的な被写体を置いて、画面全体をしっかり写したい場合は、パンフォーカス撮影が有効です。ピント位置は、この写真の場合、右手前の最短位置の花の2倍の距離にある被写体に合わせます。 |
* ピントを合わせる位置は、画面内の一番手前にある被写体(この写真の場合は右下の花)の2倍の位置にある被写体に合わせます。
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パンフォーカス撮影の際の絞り値は、「大は小を兼ねる」と言う考え方でよろしいかと思いますが、必要以上に絞るとシャッタースピードが遅くなってしまい、ぶれる原因になりますのでご注意ください。
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レンズの焦点距離・最短の被写体の距離・必要な絞り値については次の「深度表」を参考にしてください。
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動く被写体の流し撮り
動く被写体を狙う際に、意図的に遅いシャッタースピードで被写体を追いかけ、背景をぶらして撮影する「流し撮り」は、街角など背景が整理しにくい場所でも威力を発揮します。しかし、多少高度なテクニックであり、一発で上手く行くことは殆どなく、何度も何度も繰り返し挑戦することが必要です。
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24mm ISO 800 F8 1/2000 通常撮影
高速のシャッタースピードで動きを止めて撮影する方法は一般的ですが、激しい動きのスポーツなどは別として、単純な一定方向の動きの被写体は、動感が乏しく、背景もしっかり映ってしまうので、しっかりと場所を選ぶ必要があるかもしれません。 |
32mm ISO 100 F22 1/40 流し撮り
流し撮りでとらえると、動感・スピード感を演出でき、背景もある程度整理することが可能です。 |
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流し撮りの手順
1、
シャッタースピードの目標値は1/15〜1/30程度。ISO感度を最低値にセットし、絞り優先シャッターオートで絞り値を大きく(F16以上)して、目標値のシャッタースピードに近づけましょう。
2、
シャッターを切るポイントを決め、ズームの画角を合わせたら、シャッターを切る画角に向かって正しい姿勢でカメラを構えます。
3、
狙う被写体がやってきたら、足下の位置は動かさず、上体を被写体の方に向けて被写体の追尾を開始します。
4、
人物なら顔、車ならドアミラー等中心になるポイントがファインダー内の1点からできるだけずれないようにカメラで追尾します。
5、
あらかじめ決めておいたシャッターポイントに被写体が入った瞬間に、あわてず静かにシャッターボタンを押します。
6、
被写体が通過した後も暫く、ファインダーで被写体を追いかける感覚が必要です。
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2、シャッターを切る位置を決めズームの画角を合わせたら、シャッターを切る画角に向かって正しい姿勢でカメラを構えます。 |
3、狙う被写体がやってきたら、足下の位置は動かさず、上体を被写体の方に向けて被写体の追尾を開始します。 |
4、人物なら顔、車ならドアミラー等中心になるポイントがファインダー内の1点からできるだけずれないようにカメラで追尾します。 |
5、あらかじめ決めておいたシャッターポイントに被写体が入った瞬間に、あわてず静かにシャッターボタンを押します。 |
6、被写体が通過した後も暫く、ファインダーで被写体を追いかける感覚が必要です。 |
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動く被写体とカメラの距離が近く、広角で撮影する場合は、カメラを横方向に振る角度が大きくなるため、難易度が高くなります。
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100〜200mm程度の望遠で、ある程度距離を離して撮影出来れば、成功率がアップします。
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各社手振れ補正機能は、流し撮りでも有効です。自動的に検知して縦方向のぶれのみを軽減してくれますのでご活用ください。 |
28mm ISO100 F22 1/25
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50mm ISO100 F29 1/40
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200mm ISO100 F16 1/8
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