第6回感動写真ゼミナール  資料

制作 有限会社松尾カメラ 寺島 秀則

テーマ:フィルム?デジカメ?撮影手段選びのポイント

<ネガカラーフィルム>

[特徴]・ラチチュード(記録できる明暗の幅)が広いので、露出の失敗が少ない。

プリントの時点で明るくしたり暗くしたり色を補正したりできる。

仕上がりのコントラストがやわらかい。

通常、低感度のものはデーライト、短時間露光向き。高感度のものは、色々な光源に対応(多光源タイプ)。プロフィルムには、長時間低色温度用のLタイプもある。

[得意な被写体]人物、得に肌の柔らかさを表現したい場面では最適。

        晴天の昼間などコントラストの強い被写体、ストロボ撮影など

        スナップ撮影などタイミング重視の場面

[苦手な被写体]夕焼けや夜景は、黒がしまりにくく、あまり得意でない。

        焼き方で色が大きく変わるので、印刷原稿などにはあまり向かない。

 
<リバーサルフィルム>

[特徴]・フィルム自体が完成画像となるため、撮影者の意図を反映しやすい。

プリントの時点での色調補正は限界があるので、撮影時点で露出を何段階か振って数コマ撮影しておく必要がある(段階露光)。

プリント仕上がりのコントラストは、フィルムより多少硬くなる。

黒がよくしまるので、力強い表現が可能。

通常は、晴天の色温度に合わせたデーライトタイプ。電灯光用のタングステンタイプ(Bタイプ)も用意されている。

[得意な被写体]風景写真、ネイチャーフォトなど、シャープさが求められる被写体

        特に夜景や夕焼けなどは、黒がしっかりとしまり、最適。

        色の正確さが要求される印刷原稿など

[苦手な被写体]スナップ撮影、ストロボ撮影などはガチガチに硬くなってしまい、好感は持たれない。

        蛍光灯下の撮影など、色が大きく転ぶ光源では、難しい。

 
<モノクロフィルム>
 

[特徴]・色の要素が排除されるため、印象的な造形表現が可能。

現像工程が比較的単純なので最終仕上げまで自分自身で携わることが可能。

撮影時にフィルターワークでコントラストの調整が可能。

プリント時点で印画紙を選べば、コントラストをかえることが可能。

色がないので、どんな光源の下でも自然光で撮影可能。

[得意な被写体]明るさのメリハリがはっきりした被写体

        色があると生々しすぎる被写体

        造形や、陰影が印象的な被写体

[苦手な被写体]色彩が印象的な被写体

        ハイライト、シャドーが入り組んだ被写体

 
<デジカメの種類>
コンパクトデジカメ
高倍率ズームデジカメ
レンズ交換式一眼デジカメ

[特徴(一眼デジカメ)]・良いコマだけ選んでプリントできるので費用が節約できる。

撮影コマごとに感度やホワイトバランスをかえることが出来る。

撮ってすぐに画像の確認が出来る。

機種によっては100コマを超える連写が可能。

パソコンに取り込めば、多目的に画像を利用できる、かも。

各色0〜255までの256段階の外の色は存在しない

ある程度のピント調整が可能

[得意な被写体]動きの激しいものやピンと位置が微妙なものなど、成功率の低い被写体

        陰影がきつくなく、光が回っている被写体

        印刷原稿などパソコン上へ編集を伴う場面

        ピントがよく見えるので、お花畑の引いた写真などはフィルムよりシャープに見える

[苦手な被写体]夕景などシャドーの微妙な階調が必要な場面

        空の多い写真などグラデーションの大きな流れを表現するには、パソコン操作の高度なテクニックが必要