第4回松尾町真田坂フラワーフェスティバル感動写真ゼミナール  資料

制作 有限会社松尾カメラ寺島 秀則  

テーマ:花の写真を作品にしよう

 

<レンズによる画角や絞りをコントロールしてピントの深さを変える>

1、 広角レンズ(ズームの広角側)を使って、手前から奥まで、しっかりとピントが合った写真を撮ってみましょう。(パンフォーカス)

 

 

・広角レンズ(焦点距離が短いレンズ)を使用して、足下の花から遠くの花までしっかりとピントを合わせることが出来ます。

例えば、レンズの焦点距離35mmの場合、絞りをF16にして約2mの位置にピントを合わせれば1mから無限遠の物までピントが来ます。

コンパクトデジカメは短い焦点距離のレンズを使用しているため、ズームの広角側を使用した場合、カメラまかせでもパンフォーカスになります。ただし、ピントの良い作品を作るには300万画素以上の画質が必要です。

2、 望遠側または、マクロレンズを使用の場合は、絞りをコントロールしてピントの深さや背景のボケ具合をコントロールしましょう。

花を接写する場合、絞りを開ける(F値を小さくする)とピントが浅く背景のボケが大きくなります。

逆に、絞り込む(F値を大きくする)とピントが深く背景のボケが小さくなります。

絞り込んで撮影する場合、シャッタースピードが遅くなりますので、カメラぶれや風による被写体ブレに注意が必要です。

より近づいてアップで撮影する場面では、かなりピントが浅くなるので、ある程度絞り込むことが必要な場合が多くなります。

 

 

<光の硬さを考える>

1、 一般的な花の写真は、軟らかい光(曇りの日)がおすすめ。

曇りの日の軟らかい光ならば向けてシャッターを切るだけで、そこそこ写真になる。

晴天の硬い光は、白飛びや影のつぶれが全体の雰囲気を壊す場合があります。曇りの日のような軟らかい光の方が、楽に撮影することが出来ます。また、白い傘などで人工的に曇りの光を作ることも出来ます。(上右写真)

明るさを演出したい場合は、白い発泡スチロールの板などをレフ判として使用し、影を明るくすることも効果的です。(下右写真)

2、よりアップで接写する場合は硬い光(晴天の太陽)の方が質感を描写しやすく、絞りも稼げて有利。
また、前後のボケが大きくなるため、白飛びや黒つぶれの部分が大きくボケて整理され、邪魔にならない。

アップでなくても質感描写を狙う場合には、硬い光が有効です。また、質感を描写するには、光の硬さとともに光の角度が重要です。良く観察して、最適の位置を探しましょう。

<実写例>

必要な道具:一眼レフカメラ、三脚、レリーズ又はリモコン、マクロレンズ又はクローズアップレンズ

あると便利な道具:アングルファインダー

@とりあえずレンズを向けてシャッターを切るだけでも、普段気に留めない花の姿が見えてきて、とても綺麗です。
A花びらの質感を見せたくて、光の角度を変えるため斜めに撮って見ました。
B少しカメラ位置をずらして背景を暗くし、花を浮き上がらせてみました。
C今度は、やわらかな感じを出したくて、日陰で撮影してみました。光に変化がないのでこのままでは今一か。
Dあまり花が密集していないところを選び、まわりを暗めにして花を浮き上がらせてみました。
E更にアップにして前後をぼかし、花の芯とつぼみだけピントが来るようにカメラ位置を選んでみました。
Fちょっと欲張って、花の芯、片側の花びらの縁、つぼみ、隣の花びらの縁にピントが来る位置を探してみました。皆様も、カメラのオートフォーカスをはずして、何処にピントを合わせたら効果的か考えながら撮影してみて下さい。